2003/11/21

『写真はケータイで撮る時代!!−携帯電話のビジネス動向』−1
日本印刷技術協会の「月刊 プリンターズサークル」に掲載しています。
http://www.jagat.or.jp/
http://www.jagat.or.jp/pc/

http://homepage3.nifty.com/webpress



○携帯電話の現状○

 伸び続けてきた携帯電話の新規加入者数もここにきて一服状態にあるように思える。電気通信事業者協会(TCA)がまとめた2003年8月末現在の携帯電話の累計加入数は7822万2500件で、対前月比はわずか0.5%の伸びにとどまっている。7月の前月比は0.8%増であったことから、このところは1%を下回る伸び率となっている。

http://www.tca.or.jp/

 事業者別ではNTTドコモグループが前月よりも19万増増えた4486万2000件、auが同20万増の1508万4200件、J−フォンは同5万200件増の1456万4800件、そしてツーカーグループは同1万3400減の371万1500件だった。ドコモの圧倒的優位の状況に変化はないものの、業界は3強1弱の構造が定着しきっている。

 現在主流を占めるのはPDC方式だが、これの後を担うのが第3世代(3G)携帯電話。高速データ通信ができるなどの特徴を持つ。日本ではW-CDMAとCDMA2000 1xの2方式が採用されているが、W-CDMA方式を採用するNTTドコモグループの「FOMA」は前月よりも12万7000増の78万5800件の加入数になっている。同じ方式であるJ-フォンの「Vodafone Global Standard(ボーダフォン・グローバル・スタンダード)」は同9300増の7万5100件。

 一方、CDMA2000 1x方式を取るauグループは同57万400増の972万6700件で、この分野ではauグループが順調に加入数を拡大している。

■新ビジネスのプラットホームになる3G携帯電話

 第3世代(3G)携帯電話では高速データ通信の機能を生かして、動画伝送など従来の携帯電話では不可能だったさまざまなサービスが可能となる。それだけに携帯電話がビジネス分野で今まで以上に効果を発揮するものと期待されている。
 この分野でトップを走るauグループが成功した要因は、使えるエリアが広く、端末価格が低価格であったことが挙げられる。これによってPDC方式の第2世代のユーザーを速やかに移行させることができたのだった。
 しかし伝送速度は144kbpsしかなく、FOMAとVodafone Global Standard(VGS)の384kbpsと比べると低速だった。このため今秋には、新たに伝送速度2.4Mbpsの「CDMA2000 EV-DO」を投入する予定だという。

http://www.zdnet.co.jp/mobile/0205/10/n_hdr.html

 EV-DOは、下り最大2.4Mbpsの高速が売り物。高速を利用した迫力あるアプリケーションも登場してくることになるだろう。同社は2003年度末には、同社の全端末のうち、第3世代携帯電話の比率を8割までに拡大するとしている。

 ライバルのNTTドコモは、2003年初に投入した端末の待ち受け時間が長い改良端末や、カバーエリアの拡大が奏効し、ようやく低迷期を脱した形だ。同社は今年を「FOMAの年」と位置付けているが、03年度末には146万件を目標としているという。

 J-フォンも巻き返しをはかりつつある。10月からはネット接続や写メール機能などの提供を始めるし、今後、軽量化でカメラ機能を高度化させるなど第2世代を超える機能を搭載させていくとしている。2004年度には欧州などで使われているGSM方式とのデュアル端末の投入する予定だ。その後は3.5世代といわれる下り最大14.4MbpsのHSDPA方式にも取り組んでいくとしている。