携帯用位置測位サービス
国土地理院が全国に敷設する電子基準点のネットワークとGPS(全地球測位システム)を活用した携帯用の高精度位置測位サービスを三菱電機が提供している。分散する人の位置を管理センターで集中管理できるほか、PDAなどの端末に指令伝達も簡単に出来る。
法人向けのサービス。主に警備員の位置を集中管理するのに適しているとして、セキュリティ市場へ向けて販売を始めたところだ。
これに用いられるのは高精度なGPS受信機「AQLOC」で、携帯用はPDAに装着して使う。たとえば事件や事故が発生すると、管理センターの情報配信サーバーは位置情報を認知している端末(警備員)へ出来事の情報を送る。この時、端末では、「AQLOC」がベクトル地図も搭載しているので、自分や仲間の位置を同時に地図上に表示することが出来るし、画像で警備の様子などをサーバーから入手して確認することも可能だ。
端末の位置情報は、GPS人工衛星と電子基準点、端末間の通信によって得られる。それによって得られた情報は、一旦、三菱電機のPASデータセンターを経由して、「AQLOC」を装着したPDAに送信される。その際の誤差は3m以下という。
一般にはGPSによる測位誤差は10m以上とされている。「AQLOC」の高精度さは、GPSと電子基準点を組合わせ、センターで誤差を算出し、補正した後にPDAに位置情報を送信する独自のインフラにある。
誤差補正やメッセージ伝達のための通信には、PHSデータカードや無線LANなどが使われる。携帯用のほかにも自動車などに設置して使う移動体用も用意されている。こちらは測位誤差は1m以下という超高精度さ。
[メモ]電子基準点は、国土地理院が全国に20?25Km間隔で1200点に設置。GPS人工衛星からの電波を地上で連続して受信している。最北は北海道・稚内、最南は沖縄県・波照間島にある。測位データを収集するPASデータセンターは、1秒ごとに電子基準点からのデータを収集し、データベースを作成している。05.05.20