2003/11/26

『写真はケータイで撮る時代!!−携帯電話のビジネス動向』−2

日本印刷技術協会の「月刊 プリンターズサークル」に掲載しています。
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■3G携帯電話で欧米に先行する日本

 大手3社が競い合う形で国内の第3世代(3G)携帯電話市場は拡大の傾向にあるが、世界では韓国を除き、まだまだ普及が遅れている。特に欧州では第3世代携帯電話の免許料が高騰し、ITバブルがはじけたこともあってサービスを実施するケースはまだ少ない。
 欧州の携帯電話会社の3G携帯電話サービスは、ボーダフォングループやドコモが出資しているハチソン関連の英国、イタリアなどの事業者程度。サービスを提供している通信事業者も今のところは、なるべく設備投資をしないようにしているとみられている。

○注目集めるカメラ付き携帯電話○

 このように日本は携帯電話の世界で、世界の最先端の市場を開拓し続けているが、今、その牽引役になっているのがカメラ付き携帯電話だ。これはカメラを意識せずにいつでも持ち歩けて、メモ帳のような感覚で気軽にシャッターチャンスをとらえることができる良さが利用者から評価されている。
 米調査会社ストラテジー・アナリティクスは、03年上半期のカメラ付き携帯電話機の世界販売台数が、初めて単体のデジカメ販売台数を上回ったという調査結果を発表しているが、これはまさにアナログ、デジタルを問わずにカメラよりもはるかに手軽に写真を楽しめることが消費者に浸透したことを物語っている。

http://www.strategyanalytics.com/

 今年、NTTドコモグループから発売されたムーバ505iシリーズは、100万画素を超える高画質カメラを備えた携帯電話として注目された。これに代表されるように、このところのカメラ付き携帯電話はメガピクセル携帯と呼ばれ、デジタルカメラに匹敵するほどの性能を持つまでになってきている。

 ここにきて一気に高画質競争時代に突入した感じだが、さらに今秋以降には200万画素クラスの端末も発売されると言われており、高画質化の競争はますます強まるだろう。
 ところで矢野経済研究所が発表した「移動体通信市場調査」結果によると、2003年度の携帯電話の国内出荷台数は前年度より2.3%増の4441万台に達し、うちカメラ付き携帯電話は3947万台で全体の88.9%を占めると予測している。

http://www.yano.co.jp/press/2003/030710.html

 02年度の出荷台数は前年度比4%減の4339万5000台で、そのうちカメラ付き携帯は2535万台と全体の58.4%であったから、まさに驚異的な伸びであることがわかる。

■カメラ付き携帯の主流になる3G

 今春登場したばかりの注目の100万画素数以上の撮影能力を持つ“メガピクセル携帯”は、03年度にはカメラ付き携帯の43%の約1700万台に達すると見込まれている。カメラ付き携帯では最後発となったNTTドコモも、メガピクセル携帯では505iシリーズで一挙に4機種を発売するなど、au、J-フォンを引き離しにかかっている。

 ところでNTTドコモが04年1月に発売を予定しているという第3世代(3G)携帯電話「FOMA」の新機種は、505iを機能で超える最強の端末になるとされている。カメラによるQRコード対応コード読み取りに全機種が対応するほか、テレビ電話も全機種で対応。もちろんメガピクセルカメラの搭載も予想されている。
 カメラ付き携帯電話の普及とともに、撮影した静止画や動画を記録する外部メモリカードの導入も増えるだろう。ムーバ505iシリーズにも採用されている「miniSDカード」などの需要は、画像データの容量が大きくなればなるほど、今後、膨らんでいくものと期待されている。

 このようにメガピクセル携帯の競争は第3世代携帯電話の市場で展開されることになりそうだ。そのような中で、今後、携帯電話の新規契約は減少し、カメラ付き携帯電話への買い替えも一巡し、鈍化するものと業界では予想している。しかし第3世代携帯電話を含む100万画素以上のメガピクセル携帯への買い替えだけは、一段と進展していくものとみられている。

■刻々と変化するメーカーシェア

 販売台数が伸びる中で、メーカーのカメラ付き携帯電話の開発競争や販売競争もし烈になっており、販売シェアの順位は激しく変化が見られるようになった。矢野経済研究所の調査によると、02年度のカメラ付き携帯電話のメーカー別シェアは、シャープ19.4%、NEC19.0%、東芝14.7%で、先行したシャープを各社が追い上げる形となっている。

 一方、調査会社ガートナージャパンがまとめた03年第1四半期の国内携帯端末販売台数調査では、カメラ付き携帯電話の販売台数でNECがシャープを抜いて初のトップになったという。

http://www.gartner.co.jp/

 それによると、03年第1四半期の全携帯電話の販売台数は前年同期比33.7%増の1190万台。メーカー別のシェアは、NECが22.3%の265万6000台、パナソニックが17.5%の208万2000台、シャープが10.2%の121万5000台、東芝が10.2%の121万3000台、三洋電機が9.3%の111万1000台としている。

 カメラ付き携帯電話をみると、03年第1四半期に締める割合は74.5%と、ほぼ4分の3 を占めるまでになっているという。メーカー別のシェアはNEC27%、シャープ13.7%、パナソニック13.1%、東芝12.5%、三洋電機12.4%。この順位は今後も変化をし続けるものとみられる。

2003/11/21

『写真はケータイで撮る時代!!−携帯電話のビジネス動向』−1
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○携帯電話の現状○

 伸び続けてきた携帯電話の新規加入者数もここにきて一服状態にあるように思える。電気通信事業者協会(TCA)がまとめた2003年8月末現在の携帯電話の累計加入数は7822万2500件で、対前月比はわずか0.5%の伸びにとどまっている。7月の前月比は0.8%増であったことから、このところは1%を下回る伸び率となっている。

http://www.tca.or.jp/

 事業者別ではNTTドコモグループが前月よりも19万増増えた4486万2000件、auが同20万増の1508万4200件、J−フォンは同5万200件増の1456万4800件、そしてツーカーグループは同1万3400減の371万1500件だった。ドコモの圧倒的優位の状況に変化はないものの、業界は3強1弱の構造が定着しきっている。

 現在主流を占めるのはPDC方式だが、これの後を担うのが第3世代(3G)携帯電話。高速データ通信ができるなどの特徴を持つ。日本ではW-CDMAとCDMA2000 1xの2方式が採用されているが、W-CDMA方式を採用するNTTドコモグループの「FOMA」は前月よりも12万7000増の78万5800件の加入数になっている。同じ方式であるJ-フォンの「Vodafone Global Standard(ボーダフォン・グローバル・スタンダード)」は同9300増の7万5100件。

 一方、CDMA2000 1x方式を取るauグループは同57万400増の972万6700件で、この分野ではauグループが順調に加入数を拡大している。

■新ビジネスのプラットホームになる3G携帯電話

 第3世代(3G)携帯電話では高速データ通信の機能を生かして、動画伝送など従来の携帯電話では不可能だったさまざまなサービスが可能となる。それだけに携帯電話がビジネス分野で今まで以上に効果を発揮するものと期待されている。
 この分野でトップを走るauグループが成功した要因は、使えるエリアが広く、端末価格が低価格であったことが挙げられる。これによってPDC方式の第2世代のユーザーを速やかに移行させることができたのだった。
 しかし伝送速度は144kbpsしかなく、FOMAとVodafone Global Standard(VGS)の384kbpsと比べると低速だった。このため今秋には、新たに伝送速度2.4Mbpsの「CDMA2000 EV-DO」を投入する予定だという。

http://www.zdnet.co.jp/mobile/0205/10/n_hdr.html

 EV-DOは、下り最大2.4Mbpsの高速が売り物。高速を利用した迫力あるアプリケーションも登場してくることになるだろう。同社は2003年度末には、同社の全端末のうち、第3世代携帯電話の比率を8割までに拡大するとしている。

 ライバルのNTTドコモは、2003年初に投入した端末の待ち受け時間が長い改良端末や、カバーエリアの拡大が奏効し、ようやく低迷期を脱した形だ。同社は今年を「FOMAの年」と位置付けているが、03年度末には146万件を目標としているという。

 J-フォンも巻き返しをはかりつつある。10月からはネット接続や写メール機能などの提供を始めるし、今後、軽量化でカメラ機能を高度化させるなど第2世代を超える機能を搭載させていくとしている。2004年度には欧州などで使われているGSM方式とのデュアル端末の投入する予定だ。その後は3.5世代といわれる下り最大14.4MbpsのHSDPA方式にも取り組んでいくとしている。

2003/11/18

■監視カメラ 
http://homepage3.nifty.com/webpress

■監視カメラ市場が拡大している。2003年の市場規模は1500億円にもなると言われている。
 監視カメラの用途も治安への不安からくるセキュリティ意識の高まりから多様化している。セキュリティのほか工場内など設備の稼働・進捗状況の把握、学校・研究機関での監視などが大きな市場へと成長している。

 セキュリティ市場では、コンビニエンスストア、金融機関の無人システムなどのほか駐車場管理、ビル・マンションの出入口・通路・エレベーター、一般住宅の玄関、学校校門などで多く利用されている。とりわけコンビニではATMの設置が増えるのに伴い、1店で6-8台を設置するケースもあるほどだ。
 企業では、部外者の立ち入る商談コーナー・通路、コンピュータールームなどでの利用が目立つ。最近では携帯電話やPDAを使って全国の営業拠点を本社で管理するところもある。

 携帯電話と監視カメラを組み合わせたシステムは、従来のシステムよりも安価に構築できるために、今後ますます増加するとみられている。

 そうしたシステムを開発する1社のアイピー・スクエア(福岡市博多区)は、携帯電話で監視カメラの映像を確認できるホームセキュリティシステム「Handy-Eye(ハンディアイ)」を2003年9月16日からDDIポケットの代理店などで発売。

 パソコンも必要なく、設定や機能追加もいらないというのが特徴。導入コストも安く、センサー内蔵監視カメラとビデオサーバーがセットになった「Handy-Eye」導入パッケージの価格は6万7千円という。

 監視カメラに通信カードAir-H"が装着されたビデオサーバー「ハンディアイ」を接続し、携帯電話でハンディアイにアクセス。カメラが設置場所の様子を撮影し、画像付きメールを携帯電話に返信される仕組だ。
 決まった時間に監視カメラの画像を携帯電話に送信したり、カメラのセンサーが不審な動きをとらえると侵入者の画像をメールに添付して送信することもできるという。

http://www.ip-square.co.jp

 カメラ付き携帯電話の普及も手軽な監視を容易にしている。
 リーガロイヤルホテル(大阪)は、今年8月にオープンした犬専用のホテル「ドッグホテル ガーディアンズ」で、NTTドコモの第3世代携帯電話「FOMA」を使って24時間いつでもペット犬の様子を見守り続けられる安心サービスを提供。

 部屋の天井にFOMA端末を設置、午前11時から午後10時までペット犬を撮影。利用客は貸し出されたFOMA端末で接続して愛犬の様子をリアルタイムに確認できる。

 デジタル機器の発達が監視市場を拡大しているわけだが、知らず知らずのうちに監視社会を作っているようでもある。

■11月16日の読売新聞に未来学者のアルビン&ハイディ・トフラー夫妻の論文の抄訳が掲載されています。テーマはカメラ付き携帯電話です。これが人々の相互信頼に傷を与えることになり、監視社会を生む恐れがあると指摘しています。

 一部を紹介しましょう。

 「新しいデジタル機器は、脅迫者たちにとってもまた、格好の道具となる。麻薬をつようしている子供たちを隠し録りし、画像を両親に送り付けるぞと脅して、金をせびる。中東の国では、宗教警察が全身を覆う女性のベールの写真を撮り、足首が見え過ぎると難癖をつけて、寄付を出させようとするだろう。
 またレジの現金をくするてい店員や過激政治団体の出版物を購入している隣人や、嫌がる従業員にいいよっている雇用者など、事実とは異なる行為をでっちあげる画像の操作も出てくるかもしれない」

 「要するにカメラ付き携帯電話は、われわれのプライバシーと人権の定義はもとより、あらゆる事柄に広範な影響を与えるだろう」

 「しかし撮影された画像をぼかすような妨害信号を出す化粧品や衣服が、いずれ発明されるかもしれない」

 「都市の住民は高度の匿名性に慣れ親しんできたが、今後、完全に他人の観察の目にさらされるようになれば、住民が互いを知り尽くしている田舎の村に住んでいるような気分になるかもしれない」

 原文は11月16日付けの「デイリー・ヨミウリ」に掲載。

2003/11/16

「動くモノには潜在需要」 立川NTTドコモ社長講演 http://www.shizushin.com/area21/area21_2003111517.html

 静岡新聞によると、第20期静岡ニューメディア研究会(静岡新聞社・静岡放送、静岡政経研究会主催)の第3回講座が14日、静岡市紺屋町のブケ東海静岡で開かれ、立川敬二NTTドコモ社長が「モバイルで実現するユビキタス・ネットワーク社会」と題し講演しました。

 そこで立川氏は、自動車、ペット、荷物など動くモノはすべてモバイルの潜在需要があるとし、「人、モノ、カネを移動通信に取りこんでビジネスが展開できるようにしたい」と強調したそうです。

 チャレンジドピープル(障害者)に対する移動通信の可能性も紹介。「すべての人に使いやすい商品、サービスを提供し、ユニバーサルデザインの考えを基に人と人の触れあいを追求したい」と訴えたといいます。

2003/11/15

携帯電話で和牛・国産牛肉のトレーサビリテイ確認   関西スーパー
http://www.kansaisuper.co.jp/

 関西スーパーマーケットが、和牛・国産牛肉のトレーサビリテイを全店舗(50店舗)で行ないホームページで情報提供を行なってきましたが、このほど牛肉の履歴を携帯電話のインターネットでも確認できるサービスを始めています。

 パソコンを利用しない顧客の利便をはかり、手軽に牛肉の生産履歴を確認し、安全な牛肉を安心して購入してもらうのがねらいだといいます。確認できる携帯電話はNTTドコモ(iモード)とボーダフォン。auは近日対応。

確認できる生産履歴は、生産者名、品種、性別、出生国名、出生年月日、子牛導入年月日、生体牛品名、生体出荷日、枝肉購買者、解体処理場、解体処理日、部分肉処理場、部分肉カット日、部分肉購買者。

http://www.marusho-foods.com/k

[サンプルデータ]
・0997100189 ・0998645146
・0997100035 ・0998700050

2003/11/14

■iモード携帯電話対応の法人向けモバイルサービス「エスプレッソ」を使ったソリューションを取材。iモード網を通らずに企業のサーバーに接続でき、会社のメールをチェックしたり在庫情報を閲覧できるといいます。携帯電話の公私区分や情報のセキュリティなどに大いに役立つそうです。

■UFJ銀行は13日、土、日曜日、祝日も窓口営業する一号店「UFJプラス難波店」を大阪市中央区のなんば駅ビル内にオープンしたそうです。個人顧客向けで、平日は午前9時から午後8時まで、土日・祝日は午前10時から午後5時まで営業。顧客の指定する支店への口座開設や公共料金の支払いのほか、キャッシュカードの即時発行もできるといいます。

 このお店では土、日曜日、祝日の窓口営業だけでなく、携帯電話の画面で窓口の混雑状況が確認できるサービスも始めています。
 専用アドレスへメールを送信すると、UFJのサイトのアドレスが返信され、接続すると「振り込み」「公共料金」など取引内容別に待ち人数が表示される仕組です。

ufjp@docomo.ne.jp